かつて、邪馬台国の所在地論争で、畿内説の対抗馬として勢力を振るっていた九州説。
しかし、近年の考古学の科学的なアプローチ(年輪年代学など)の進歩で、今や考古学会、歴史学会、マスコミの9割が畿内説で固まりつつあるなか、九州説論者は専門外の歴史愛好家が声高に叫ぶ寂しい状態になっている。
そこで、当サイトで九州説を再度、検証していこうと思う。
一口に九州説といっても、その推定所在地は様々である。畿内説が大和周辺に限定されているのとは大きく異なっている。そこで、様々な九州説を一つ一つ検証していこうと思う。
邪馬台国の所在地論争で焦点になるのは、邪馬台国以外では、狗奴国と投馬国の所在地も大きな焦点になる。この2カ国の所在地がどこかということで、邪馬台国の所在地の推定にも大きな影響を与える。
九州説の中で、邪馬台国の所在地として有力な候補地は、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎県の四通りが考えられるが、それぞれの邪馬台国所在地の候補地の場合でも、狗奴国と投馬国の推定所在地は多様であり、全部で14通りが考えられると思う。
<邪馬台国=佐賀県説>
- 邪馬台国=佐賀県、狗奴国=熊本県、投馬国=宮崎県
- 邪馬台国=佐賀県、狗奴国=熊本県、投馬国=鹿児島県
- 邪馬台国=佐賀県、狗奴国=熊本県、投馬国=大分県
<邪馬台国=大分県説>
- 邪馬台国=大分県、狗奴国=熊本県、投馬国=宮崎県
- 邪馬台国=大分県、狗奴国=熊本県、投馬国=鹿児島県
- 邪馬台国=大分県、狗奴国、鹿児島県、投馬国=宮崎県
- 邪馬台国=大分県、狗奴国=鹿児島県、投馬国=佐賀県
<邪馬台国=宮崎県説>
- 邪馬台国=宮崎県、狗奴国=熊本県、投馬国=佐賀県
- 邪馬台国=宮崎県、狗奴国=熊本県、投馬国=大分県
- 邪馬台国=宮崎県、狗奴国=鹿児島県、投馬国=佐賀県
- 邪馬台国=宮崎県、狗奴国=鹿児島県、投馬国=大分県
<邪馬台国=熊本県説>
- 邪馬台国=熊本県、狗奴国=鹿児島県、投馬国=宮崎県
- 邪馬台国=熊本県、狗奴国=鹿児島県、投馬国=佐賀県
- 邪馬台国=熊本県、狗奴国=鹿児島県、投馬国=大分県
以上の各ページで、それぞれの説を検証したが、九州説はかなり厳しいように思う。とはいえ、約300年に渡って、勢力を持った説であり、まだまだ完全には捨てるべきではないとも思うが...
邪馬台国九州説検証のための参考地図
