★YouTubeチャンネルを開設しました。⇒ 古代日本建国ミステリー
  1. 魏志倭人伝に登場する「邪馬台国」と「投馬国」の所在地は?漢字の音韻や古代の海上交通から考える
  2. 『魏志倭人伝』に登場する「人名」「国名」「出来事」は『古事記』『日本書紀』にも登場する!?
  3. 「倭国大乱→倭女王 卑弥呼共立」から「皇室系図 欠史八代」の謎が解ける!そこから「出雲の国譲り→高天原の倭国統一」高天原出身の真の初代倭王の正体も明らかに!
  4. 日本皇室が隠したい「天皇家の正統性問題」とは?「国作り」「国譲り」「天孫降臨」「神武東征」「欠史八代」「四道将軍派遣」の真相

歴史Ranking

2027年02月15日

弥生時代は紀元前1000年頃から?AMS年代測定法の現状と可能性


弥生時代の始まりをいつの時点とすべきかは、諸説ある。

そもそも弥生時代とは、弥生式土器が使われている時代という意味であった。

ところが、弥生式土器には米、あるいは水稲農耕技術体系が伴うことが徐々に明らかになってくると、弥生時代とは、水稲農耕による食料生産に基礎を置く農耕社会であって、前段階である縄文時代(狩猟採集社会)とはこの点で区別されるべきだとする考え方が主流になっていった。

そのような中、福岡市板付遺跡において、当時最古の弥生式土器と認識されていた弥生時代前期前半の板付I式土器よりも層位的に先行する(古い時代の)土器であり、その特徴から縄文時代北部九州における最新段階の土器と考えられていた夜臼式土器段階の水田遺構が発見され、従来縄文時代晩期後半と考えられていた夜臼式土器期において、すでに水稲農耕技術が採用されており、この段階を農耕社会としてよいという考えが提出された。

その後、縄文時代と弥生時代の差を何に求めるべきかという本質的な論争が研究者の間で展開され、集落の形態や墓の形態、水田の有無、土器・石器など物質文化の変化など様々な指標が提案されたが、現在ではおおよそ、水稲農耕技術を安定的に受容した段階以降を弥生時代とするという考えが定着している。従って、弥生時代前期前半より以前に(夜臼式土器に代表されるような刻目突帯文土器と総称される一群の土器形式に示された)水稲農耕技術を伴う社会が(少なくとも北部九州地域には)成立していたとされ、従来縄文時代晩期後半とされてきたこの段階について、近年ではこれを弥生時代早期と呼ぶようになりつつある。


弥生時代の時期区分は、従来、前期・中期・後期の3期に分けられていたが、近年では上記の研究動向をふまえ、早期・前期・中期・後期の4期区分論が主流になりつつある。また、北部九州以外の地域では(先I〜)I〜Vの5(6)期に分ける方法もある。(早期は先I期、)前期はI期、中期はII〜IV期、後期はV期にそれぞれ対応する。(早期は紀元前5世紀半ば頃から、)前期は紀元前3世紀頃から、中期は紀元前1世紀頃から、後期は1世紀半ば頃から3世紀の半ば頃まで続いたと考えられている。


最近になって、国立歴史民俗博物館の研究グループによる炭素同位対比を使った年代測定法を活用した一連の研究成果により、弥生時代の開始期を大幅に繰り上げるべきだと主張する説がでてきた。

これによると、早期のはじまりが約600年遡り紀元前1000年頃から、前期のはじまりが約500年遡り紀元前800年頃から、中期のはじまりが約200年遡り紀元前400年頃から、後期のはじまりが紀元50年頃からとなり、古墳時代への移行はほぼ従来通り3世紀中葉となる。

'''早期(先I期)''' '''前期(I期)''' '''中期(II〜IV期)''' '''後期(V期)'''
早期前半 早期後半 前期前半 前期中葉 前期後半 中期前半 中期中葉 中期後半 後期前半 後期後半
縄文晩期 早期 前期 中期 後期 終末
前1000 前900 前800 前700 前600 前500 前400 前300 前200 前100 0 100 200
*時期区分を視覚的にしてみたが、少しずれていることに注意。最上段はAMS法炭素年代、二段目は前期(黄)・中葉(緑)・後期(青)に等分し、三段目は従来の年代観、四段目は一世紀ごとの物差し。 Wikipediaにあった表を引用した。


「弥生」という名称は、1884年(明治17年)に東京市本郷向ヶ岡弥生町(現在の東京都文京区弥生)の貝塚で発見された土器が発見地に因み弥生式土器と呼ばれたことに由来する。(なお、その後の都市化の進展などもあって正確な発見地は特定できなくなっている。)当初は、弥生式土器の使われた時代ということで「弥生式時代」と呼ばれ、その後徐々に「式」を省略する呼称が一般的となった。なお余談だが、弥生時代の名称の起源となった、弥生町で出土した一群の土器は、現在の土器編年上では古墳時代前期に属するとの説が有力になりつつある。



内容(「BOOK」データベースより)
近年、年輪年代測定法や放射性炭素C14年代法(AMS法)など、理化学的手法による暦年代の研究法は考古学者が提示できなかった厳密な年代測定値を数多く導きはじめた。新しい世紀の考古学はどのように進んでいくのか。本書は、理化学分析や考古学者の研究の成果など最新の研究を紹介するとともに、それらによって新たに解明された古代の歴史観を過去の鏡として読み解く。

内容(「MARC」データベースより)
考古学の成果をデジタルに位置づける作業として重要な暦年代研究。年輪年代測定法やAMS法など理化学分析による暦年代研究の成果や最新の研究を紹介し、それらによって解明された古代の歴史観を、過去の鏡として読み解く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

西川 寿勝
1965年大阪府出身。大阪府教育委員会文化財保護課

河野 一隆
1966年福岡県出身。独立行政法人国立博物館九州国立博物館設立準備室(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



参考サイト
弥生時代の開始年代- AMS年代測定法の現状と可能性 -
放射性炭素(炭素14)で年代を測る
考古学レポート7 放射性炭素年代測定法
奈良文化財研究所>「測」考古科学
画期的な年輪年代法
年輪から過去を探る-年輪年代学入門-
土器の編年



歴史Ranking
posted by 邪馬台国総論 at 15:40 | TrackBack(0) | コンテンツ

この記事へのトラックバック
カテゴリ
HOMEへ


案内
コンテンツ
人物・官
書籍
御意見・御要望




※当サイトで使用されている画像は、googleアースなどの画像を画像処理したものです。



×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。